アニメスタジオのあるまちと言われるために

人と関わりながら仕事をすることで日々成長できていると実感


スタジオガッツ有限会社

代表 荒尾 哲也(あらお てつや)さん

柏崎アニメスタジオ

アニメーター 長澤 達也(ながさわ たつや)さん

アニメーター 牧野 太輔(まきの だいすけ)さん

(写真左から)長澤さん、荒尾さん、牧野さん

東京都出身の長澤達也さんと神奈川県出身の牧野太輔さんは、もともと東京に本社を構える「スタジオガッツ有限会社」の社員でした。現在は、2人とも柏崎市にIターン移住し、サテライト・スタジオ「柏崎アニメスタジオ」に勤務しています。両社の代表・荒尾哲也さんは「2人は柏崎市に来たことで、人としてひと回り成長しました」と話してくれました。


■未知の土地、柏崎への移住

2人とも、サテライト・スタジオ新設に伴って、柏崎市にIターン移住されました。その経緯を教えてください。

長澤さん:もともと弊社代表の荒尾が柏崎にスタジオをつくろうと考えたのは、東京でやっていることを地方で行うことで、仕事においても人の成長の面でも、東京とは異なる化学反応が生まれるのではないかと考えたからでした。新設の場所を全国で探していた中、人のご縁で、柏崎という自然豊かな場所を知り、東京とは全く異なる環境にスタジオをつくることにしたそうです。

僕は令和2(2020)年10月から、牧野くんは令和3(2021)年3月から柏崎のスタジオに勤務しています。柏崎で生まれたさまざまなお仕事を通じて、まちの方とも交流が生まれ、今では住人の方に道で声を掛けていただけるようにもなりました。自分が柏崎という街に少しずつですが、なじんできていると実感できる瞬間ですね(笑)。



■東京では得られない体験を通しての成長

柏崎ではどのようなお仕事をされているのですか?

牧野さん:東京と同じように人気アニメの原画を描く以外の仕事が生まれています。例えば、柏崎市役所や新潟のテレビ局、柏崎の企業…、東京ではなかったようなご依頼をさまざまな方からいただいています。

東京では仕事が細分化されていて、通常アニメーターはクライアントさまと直接やり取りをすることはほとんどありません。人と関わることもごくまれです。しかし、柏崎で生まれる仕事の多くは、自分たちがすべての場面でプレイヤーとなり、アニメを描く前の、人とのやり取りから始まります。この経験が僕たちの中ではとても大きく、自分たちのスキルアップにつながっています。本当に東京にはない仕事がやれているなと、毎日実感しています。


荒尾さん:最初の取り組みとして行ったのは、アニメ「とびだせ柏崎」の制作でした。柏崎市の魅力を伝える約5分間の作品で、地元企業7社のサポートを受け、制作したものです。

「とびだせ」シリーズは、現在9作品を制作しています。このシリーズを制作し続けられていることが、このスタジオの価値、まちからの評価だと私は考えています。


また、柏崎市内の小学校でキャリア教育の授業として、弊社の2人が招かれ、子どもたちに授業をしています。アニメーターという仕事の面白さを伝えることで、子どもたちの未来に選択肢を増やすお手伝いができていることは、2人が自分の仕事を客観的に見られるようになる絶好の機会。彼らの成長にもつながる貴重な場だと考えています。こういった経験を通じて、彼らもエンタメはつくる側のものじゃなくて、見る人のためのものという意識が深く理解できるようになったのではないでしょうか。柏崎というまちに長澤も牧野も育てていただいていると、本当に感謝しています。


柏崎というまちでどのような存在になりたいですか?

長澤さん:もっと地域に根ざしたいです。柏崎に住んでいる方がこの街を紹介するときに「アニメスタジオがある街」と言っていただけるくらい、名物的存在、自慢の1つになりたいですね。

牧野さん:柏崎アニメスタジオに頼むと、クオリティーの高い作品が出来上がってくる。あの会社なら、東京に行かなくても高いレベルで仕事ができる。そんなアニメーション業界の入口のような存在として認識していただけるように頑張ります。