看護師を目指し、独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校に在学中の田中さん。
看護学校ってどんな学校? 地元の学校を選んだ理由、看護職を目指したきっかけ・エピソードなどに迫りました!(取材:2021年4月)
interviewee profile
田中 世奈(たなか せな)さん
柏崎市出身・在住。
市内の高校を卒業後、実家から通える独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校に進学。現在3年生。
来春の就職に向けて、多忙な日々を送る。
■独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校ってどんな学校?
柏崎市赤坂町に立地する3年制の附属看護学校。
将来の国立病院機構の医療・看護をリードする看護実践能力を持つ看護師を育成している。 学校が新潟病院と隣接しているため、常に医療現場のそばで学習できる。看護教員だけではなく、医療現場で働く医師や看護師なども講師・指導者として学生の指導・育成にあたる。
徒歩圏内に赤坂山公園があり、自然に恵まれた静かな環境の中、勉強に集中できる。
遠方出身の学生に配慮し、男女とも入居可能な完全個室の学生寮を完備している(2017年に改築)。
施設実習の際は、専用のバス、タクシーでの送迎がある。
看護師国家試験合格率は、2019年度卒業生100%、2020年度卒業生97%。
就職率は、2019年度卒業生100%、2020年度卒業生100%。
■進路選択までのお話
自分が看護師になることで、地域貢献がしたい・看護師不足を解消したい
―看護師を目指そうと思ったきっかけは?
祖父母が市内の病院に通っていた時期がありました。祖父母の家に遊びに行った際に、医療の話になり、看護師が不足している、忙しいという話を聞いたんです。
看護師になって少しでも地域に貢献、看護師不足を解消できたらなと強く思いました。
―進路を決めた時のご両親の反応は?
覚悟が必要だよと言われました。
親が看護師として働いていて、大変だということを実感しているので、最初は反対されました。でも、看護師になろうという強い意志があり、何とか了承を得ました。
―進学先を選んだのはいつ?
高校2年生の冬に、新潟病院附属看護学校1本に絞りました。
―なぜ地元・柏崎の学校(新潟病院附属看護学校)を選んだの?
実家から近い場所に新潟病院附属看護学校があること、新潟病院附属看護学校を卒業し、新潟病院で働いている知り合いから、いろいろ話を聞く中でこの学校を志望しました。
他の学校も見学に行きましたが、やはり地元がいいと思ったんです。
1人暮らしだと家事もこなさなければならず、実習が始まると勉強に費やす時間が少なくなってしまいます。睡眠不足で、次の日に影響が出てしまう恐れがあります。実家から通える地元の学校は、家族が支えになってくれるので、安心です。
―市外の学校に進学する子も多かったのでは?
多かったですね。1人暮らしがしたくて長岡市に行く子もいました。
―市外に出たいという気持ちはなかった?
はい。自分の時間を持つことができるので、地元の学校を選びました。
■学校生活のお話
コロナ禍でも通常通りの実習ができている
―この学校に入ってよかったと思うことは?
先生が親身になって話を聞いてくれるので、相談がしやすいです。
根拠に基づいてアドバイスをしてくれるので、実習で役立てることができます。
また、地域貢献の活動として、ぎおん柏崎まつりの民謡流しにも学校で参加します。毎年、1年生と3年生が参加します。1年生の時に3年生と参加した民謡流しは夏のよい思い出です。
―男女比はどのくらい?
3年生は47人中、女性が40人男性が7人です。
―コロナ禍ではあるが、実習は通常通り行っていると伺った。実習を実際行ってみて感じたことは?
コロナ禍で、実習に行けない学校もある中、ワクチン接種を受けたこともあり、病棟での実習を行えたことはありがたいなと思います。
昨年の3年生は、実習期間が短縮されたり、行けない実習先もあったりと、学べないこともあったかと思います。今年度は通常通りの実習予定なので今後もたくさん学びたいです。実習は大変ですが、自分が看護師になるためと思えば、すごくありがたいです。
―実習中のエピソードは?
患者さんを受け持たせていただいたときに、手術の影響で呼吸が浅くなったり、あくびや体を動かしたときに痛みを感じたりすると訴える患者さんがいました。
痛みの軽減方法をアドバイスしたら、痛みが軽減されてすごい楽になったという感謝の言葉をいただきました。自分のアドバイスによって痛みが和らぐ姿を見て、やりがいを感じました。勉強したかいがあったなと身に染みて感じました。
―他の学校と比べて、この学校の強みは?
母体の新潟病院へ実習に行けるところです。コロナ禍でも休まず実習に行くことができたのは、県内で当校だけだったと聞いています。
―新潟病院が隣にあるから実践的なことも早く学べる?
そうですね。そういったメリットがあります。
―総合医療センターでの実習時に学校の送迎があると伺った。交通手段が確保されているのは便利ですね。
行きはタクシー・帰りは専用バスでの送迎があります。他の学校にはない、ぜいたくな送り迎えですよね。冬場は重宝します。
―テスト勉強は学校で?家で?
基本的には学校でします。
学校は、静かで環境が整っているので、家より集中して勉強できます。午後6時まで学校が開いているので、友達と一緒にぎりぎりまで勉強します。
■柏崎での生活のお話
市内に勉強できるスペースを増やしてほしい
―プライべートはどこに行く?
カフェに行きます。焼肉屋も行きますよ。
―市外の子に柏崎のおすすめの場所を聞かれたら?
やはり、カフェを勧めます。あとは、焼き菓子屋とか!
―柏崎がもっとこうなれば便利だなと思うことは?
学生証を見せると割引、特典を受けられるサービスがあるとありがたいです。
それと、勉強スペースが増えるといいですね。勉強場所が埋まっていると、他の場所を探して移動している時間がもったいなくて。家で集中して勉強ができないときに、どこにも行けなくなってしまうので。
―図書館(ソフィアセンター)に看護学生を応援するブース(看護学生向けの書籍を設置)をつくろうと、計画しているが、どう思いますか?
ソフィアセンターには看護関連の本が少ないので、ありがたいです。土・日曜は学校が休校なので、そこで勉強ができますね。
■夢の実現に向けて
コロナ禍でも看護師になるのは怖くない
―コロナ禍で、看護師になるのが怖いという気持ちはある?
あまりないです。
病院に勤務するということは、新型コロナウイルス感染症に限らず、どんな感染リスクがあるかわからないですよね。
コロナだからというわけではなく、常に感染症対策を行った上で仕事に臨むので、大丈夫だと思っています。
―看護師は国家資格なので「手に職をつける」という意味でも魅力なのでは?
ニュースでコロナ禍によるリストラの話を聞きます。国家資格があれば、どこに行っても就職口があるというのは強みですね。
―市内の病院に就職すると、市の補助金がもらえる制度「看護師就職助成金(*)」を知っている?
知っています。
(*)看護師就職助成金:
市内の病院などで働き始める看護師を応援するため、就職助成金を最大で30万円交付。
―その制度はいつ知った?
学校の入学式で市長が話しているのを聞いて初めて知りました。入学式で言われると印象に残りますよね。
高校生の時にこの制度を知っていれば、地元に残ろうと思う子もいるかもしれません。
―就職先を決める際、重視するところはどんなところ?
一番は職場の雰囲気ですね。雰囲気が悪いと、看護師同士で気を使ってしまい、疲れてしまいます。あとは資格が取りやすいかです。新潟病院は特定行為研修(*)が受けられるので、挑戦したいです。
(*)特定行為研修:事前に医師が作成した指示書をもとに看護師の判断で特定行為(診療補助)が行えるようになるための研修。
―看護職のやりがいとは?
患者さんに「ありがとうございます」と感謝の言葉をいただいたり、患者さんが元気になって退院していく姿を見たりすると、達成感や人の役に立てたという実感が得られます。
看護の技術は病院内だけではなく、普段の生活でも生かすことができます。
看護学生の時から家族や周りの方に頼られることが多いんです。頼られた時に分からないことがあると、自分の知識が足りないなと刺激を受け、勉強を頑張ろうと思います。
学んだ技術を生かせるときが一番うれしいですね。
―コロナ禍で慌ただしく仕事をする医師・看護師の様子が報道されている。
看護職を選択しようか進路に悩む高校生や看護職を目指している人へのメッセージを
病院で働いている人の感染リスクが高まるという見方をしている人が多くいると思います。ですが、先ほどお話した通り、病院は感染症対策を徹底しているので病院で働いている人の方が安全という見方もあります。感染症のリスクがあることを知っていて、技術も身に着けています。業務で、手洗いなど感染症対策を徹底しているため、しっかりと守れば、自分の身も守れますし、患者さんが感染症にかからないよう予防もできるのではないかと思っています。
むしろ今だからこそ看護師になった方が…いいかもしれないです(笑)
あと、勉強が大変というイメージを持つ方がいらっしゃるかと思いますが、その分、学べることもたくさんあります。学んだことを生かして実践することでやりがいも感じますし、仲間と乗り越えていけば自分の夢も叶えていけると思うので、ぜひ挑戦してほしいです。
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