新製品やイベントでお菓子の楽しさを伝える
■interviewee profile
菓子工房ラ・プランタン
廣川 優(ひろかわ ゆう)さん・馨(けい)さん
廣川優さんは平成2(1990)年柏崎市生まれ。地元の高校卒業後、東京の製菓専門学校へ。馨さんは平成8(1996)年東京都生まれで、優さんの製菓専門学校の後輩。関東でパティスリーとして働いていた優さんと結婚し、令和4(2022)年11月に茨城から柏崎に移住しました。
父の仕事に憧れて、家業を継ぐために帰郷
――移住したきっかけは?
優 菓子工房ラ・プランタンは僕が小学5年生のときに父が開業した店です。その父の背中を見て育ったので、「大変そうだけど、人を笑顔にできる良い仕事だな」と、子どもの頃からケーキ屋さんになりたかった。製菓専門学校を卒業した後、神奈川、東京、茨城のパティスリーで働いてきましたが、柏崎を出たときから30歳ぐらいで帰ることを考えていました。
馨 アルバイト先のパティスリーで優さんが修行していたんです。付き合っているときから将来、地元の柏崎に戻るという話は聞いていました。離れて暮らすのは嫌なので、一緒に来ました。
――柏崎で暮らしてみて感じたことは?
優 僕が暮らしていたときよりも寂しくなったと思います。だけど、海も山もあって、自然がいっぱいなところは変わっていない。こっちに帰ってきてから自転車が趣味になりました。
馨 私は虫が苦手なので、自然がいっぱい過ぎてつらいことも(笑)。でも、思い立ってすぐに海を見に行ける環境はすごく良いですね。それと、(柏崎は)気持ちが温かい人が多いと思います。お客さんも気軽におしゃべりしてくれますから。
かわいい見た目と多彩な食感が人気のスペシャリテ
――どのようなお菓子を作っていますか?
優 現在は、父がパンと昔からの人気商品を担当し、僕はケーキをメインで作っています。父が作るのは伝統を大事にしたお菓子なので、僕は修行中に学んだ新しい味を意識しています。僕のスペシャリテ『HIYO~ひよ~』(580円)は、ひよこの形をしたムース。下はタルト、上はチョコとバナナのムースで、多彩な味わいと食感をバランス良く仕上げています。
馨 今、首都圏で主流となっているケーキは日本風にアレンジした軽い食感で、香りもやさしい。店でもやわらかい食感を楽しめるムース系のお菓子を増やしています。子どもから大人まで幅広い層が食べやすいように、見た目や味わいを工夫していますね。
――新商品は二人で考えているのですか?
馨 そうです。焼き菓子『はちみつれもん』(260円)は、柏崎で養蜂をしている人がいると知って、二人で会いに行ってきたことから誕生した、新しいお菓子です。柏崎産のはちみつを使っているので、ぜひ地元の方に食べてほしいです! 冷やして食べてもおいしいですよ。あと、夏のクッキー缶に入っている花火のアイシングクッキーは、去年、柏崎の花火大会で見た花火をイメージして作ったものです。
優 休日は二人で柏崎のカフェ巡りを楽しんでいますが、どこに行ってもおいしいスイーツをチェックして、「こんなお菓子を作りたいね」って話になります(笑)。
全国の人に喜ばれるお菓子を柏崎から発信
――今後の目標を教えてください。
優 いちじくと越後姫は地元の農家さんのものを使っていますし、今後も柏崎産の食材を使ったお菓子を増やしたいです。今、力を入れているのが『はちみつれもん』やミニチーズケーキ『ひよこのおやつ』(250円)のような、おみやげに利用できる日持ちするお菓子。おみやげやギフトとして全国の人に喜んでもらえるお菓子を、柏崎から発信していきたい。お菓子は、嗜好品ですが食べると心が豊かになるもの。柏崎の人たちにラ・プランタンのお菓子を食べて幸せな気持ちになってもらえたらいいな、と思っています。
馨 記念日やうれしいことがあった日に「ラ・プランタンのケーキを食べようか」って話題にしてもらえる、地域に愛されるケーキ屋さんでありたいです。暑い時期に少しでも皆さんに楽しくケーキやお菓子を食べてもらいたいとの思いから、ことしの8月3日・4日に「ラ・プランタンの夏祭り」を開催しました。見た目がたこやきそっくりなケーキやチョコバナナなどの夏祭り限定メニューを提供しました。アヒルすくいなどのミニイベントもたくさんのお客様に喜んでもらえました。今後も柏崎の皆さんにお菓子を楽しんでもらえるよう、新しい味を取り入れた新製品やイベントを考えていきたいです。
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